あなたは、ガンを知っていますか? その3
2015-01-05


新年あけましておめでとうございます。
良い年末年始であったでしょうか。

さぁ、それでは、恐ろしいガンの続きをはじめます。


ガンって、何?

毎日5000回も起きている

 細砲が分裂するときには、元のDNAを2倍にコピーして、新しい2つの細胞に振り分けます。人間(の細胞)がやることですから、コピーのときにミスがおこることがあります。これ、が突然変異です。
 こうした細胞は多くの場合、死にますが、ある遺伝子に突然変異がおこると、細胞は止めどもなく分裂を繰り返すことになります。
 最近の研究では、ガン細胞は健康な人の体でも一日に5000個も発生しては消えていくことがわかっています。
 ガン細胞ができるとそのつど退治しているのが免疫細胞(リンパ球)です。免疫細胞は、ある細胞を見つけると、まず自分の(身体の)細胞かどうかを見極めます。そして、自分の細胞でないと判断すると、殺してしまいます。
 ガン細胞は、もともと私たちの正常な細胞から発生していますので、カラダの外から侵入する細菌などと比べると、免疫細胞にとって「キケンな異物」と認識できない傾向がある、と言われます。それでも免疫細胞は、できたばかりのガン細胞を攻撃して死滅させます。私たちのカラダのなかでは、毎日毎日、「5000勝0敗」の闘いが繰り返されているのです。

ガンになるのも運、ならないのも運

 しかし、年齢を重ねると、DNAのキズが積み重なってガン細胞の発生が増える一方で、免疫細胞の機能(免疫力)が落ちてきます。そのため、ガン細胞に対する攻撃力が落ちる結果、発生したガンが免疫の網をかいくぐって成長する確率も増えるのです。
 長生きするとガンが増えるのは、突然変異が蓄積されるのと、免疫細胞の働きが衰えるからなのです。ガンが老化の一種といわれるのはそのためです。ガンは、一部の例外を除き遺伝しません。(例外は家族性腫瘍)。むしろ「ガンになる、ならない」は運の要素が大きい。

 目には見えない壮絶な隣いを勝ち抜いて、ひっそりと生き残ったたった1つのガン細胞は、分裂した後の子孫の細胞がすべて死なない「スーパー細胞」です。
 ガン細胞はゆっくりと倍々グームで分裂を重ねていき、100万個(すべてが同じ細胞!)まで増殖すると1ミリくらいの大きさになります。検査によって発見されるまで育つには、通常10〜20年以上の時間が必要です。
 これが、ガンが高齢の方に多いもう1つの理由。その意味では、ガンは昨日今日できたものではありませんから、ガンと診断されてもあわてる必要はないのです。
 社会や医療環境が良くなって寿命が長くなれば、それだげガンが増える、これはやむを得ない定めです。
 ガンになってもあわてないように人生をとらえ、過ごす必要があるのです。

ガンは、生活習慣病

生活習慣とがん

 ガンは、細胞のDNAにキズ(突然変異)が積み重なってできます。この突然変異は、年齢とともに自然に増えていくもので、白髪やしわのようなもの。ここまでにはすでに述べました。しかし、どんなガンができやすいかは、生活習慣にも左右されます。たとえば、乳ガンや前立腺ガンが増えているのは、動物性の脂肪を多く摂るようになったことが背景にあります。

冷蔵庫で胃ガンが減少

 これまで日本では、胃ガン・子宮頸ガン、肝臓ガンなど、ウイルスや細菌による感染が原因となる「アジア型」のガンが多かったのですが、衛生環境の改善などで、こうした感染症型のガンによる死亡は減少に転じています。胃ガンは、ヘリコバクター・ピロリ菌などの細菌が原因の一つですから、冷蔵庫が普及して新鮮で清潔な食物を口にするようになって減りました。実際にアメリカでも、1930年ごろは、胃ガンがガン死亡のトップでした。日本より先に冷蔵庫が普及した結果、今では胃ガンは白血病より少ない、珍しいガンになっているのです。

ウイルスで感染するガン


続きを読む

[がん]

コメント(全2件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット