シリーズ 睡眠について その6 不眠症の1
2015-09-18


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明日は出張で朝が早いから寝過ごしては大変だと、目覚ましより早くパッと起きてしまった、あるいは、5時起きしてゴルフに行く予定だったが、あまりにワクワクして4時に起きてしまった、などという経験はあるでしょう。子どもの頃、遠足が楽しみで当日の朝は早く起きてしまった、といった経験も誰でも一度はあるかと思います。このように何かワクワクするような楽しみがあったり、どうしても寝過ごすわけにはいかないという緊張感があると、人はちゃんと早く目が覚めるようにできています。言うまでもありませんが、こうしたケースで予定よりも早く目が覚めてしまうことは、早期覚醒タイプの不眠症ではありません。
 特に楽しみや緊張感といった理由がないのに、何日も連続して予定より早く目が覚めてしまうのであれば、それは早期覚醒の可能性があります。多くの場合、過度のストレスといった精神的要因によるものだと考えられますので、精神状態を安定させることによって、少しずつ改善していく必要があります。
 「老人は朝が早い」といいますが、これは加齢によって自律神経の働きが弱ってくることが原因ですから不眠症ではなく自然なことです。

◎ 不眠症の原因

 不眠は一時的なものであることもありますが、程度が深刻になって本格的に日常生活に支障をきたす場合もあります。不眠で死ぬことはありませんが、人生や生活の質を大きく下げてしまいます。また、不眠によって他のいろいろな病気を誘発してしまうことも少なくないため、不眠を放置しておくわけにもいきません。
 ひとくちに不眠症といっても、その原因は人によってさまざまです。不眠症から脱却するための第一歩は、客観的な正しい知識を身につけたうえで、自分が眠れない原因を理解することです。自分の状態について一番よく理解しているのは、もちろん自分自身です。まずは自分の置かれた状況と心の状態を客観的に見つめなおすところから始めましょう。

▽騒音
 ぐっすり眠るためには、どのような環境で眠るかが非常に大切です。近くに幹線道路があり、一晩中クルマやトラックの騒音が絶えない環境で熟睡することは、簡単なことではありません。また、クルマの騒音以上に気になるのが、家の外から聞こえる人の話し声です。コンビニが近所にあると、深夜に若者の話し声や騒ぎ声が気になって眠れないことがあります。睡眠の妨げになるこうした騒音は、厚めのカーテンをひいたり、耳栓を利用したり、環境音楽などの音によって騒音を相殺するなどの対処によって、克服するしかありません。

▽体内時計の乱れ
 体内時計が感じる時間と実際の時間との間にズレが出ている状態だと、眠くなる時間もズレてきてしまいます。海外旅行をした人なら一度は経験があるかと思いますが、日本と時差の大きな外国に行くと時差ぼけによってなかなか眠れないことがあります。また、朝寝坊や夜更かしが習慣化してしまった人や、職場の交代勤務制(シフト制)によって勤務時間が昼間だったり夜間だったりする人も体内時計が正常に機能していないことがあります。

▽日頃からの慢性的な運動不足
 現代人は、多くの人が自覚しているように日頃から運動不足の状態が続いています。交通網が発達し、どの建物にもエスカレーターやエレベーターが設置され、自分の足で移動しなければならない機会がどんどん減っているためです。
 特に内勤者の場合は、昼食の時に多少の距離を歩くくらいがせいぜいで、一日のほとんどをオフィスの自分の席で過ごすわけですから、運動不足になって当然です。社内でも意識的に階段を使ったり、駅ではエスカレーターは使わない、などできるところから運動を少しずつ増やしていきましょう。

▽現代人の生活サイクルの乱れ

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